山陰地方で地鳴りを観測

【地鳴り音源あり】山陰地方で大規模な地鳴りが発生


2020年5月11日19:30頃、島根県・鳥取県など山陰地方で地鳴りの報告が相次いだ。気象台にも問い合わせが多く寄せられたが、震度1以上の地震は観測されていない。この地鳴りの原因はなんなのだろうか?

▼目次
音と合わせて地震のような揺れも観測
朝鮮半島で同時刻に起こった地震が影響?
地鳴り後の地震と地すべりに要注意

音と合わせて地震のような揺れも観測

2020年5月11日19:30頃、島根県・鳥取県など山陰地方を中心に、大規模な地鳴りが発生しているとの報告が、Twitter上で相次いだ。

https://twitter.com/PONmk2_FX/status/1259794775122706434

Twitter上での反応を確認するに、地鳴りや揺れは断続的に続き、19時30分過ぎから19時45分頃まで続いたと見られる。

Twitter上で確認できる、もっとも遅い地鳴りの報告

地鳴りは通常、地面から「ゴゴゴゴ」または、雷に似た音が聞こえる。
「松代群発地震50年特設サイト」では、1965年9月8日に録音された地鳴りの音が公開され、誰でもダウンロードできる。

この音声ファイルの12〜13秒あたりで、近くに雷が落ちたような音が収録されている。これが地鳴りの典型例とされる。
ちなみにこの地鳴りの音が収録された1965年9月8日の9日後、9月17日に大規模な地崩れが発生している(長野県長野市)。

今回観測された地鳴りでは、音の他にも「窓がガタガタ揺れた」「家が揺れた」との報告が多く見られる。

地震のような体感があったにも関わらず、5月11日19時30分前後に、地震の発生報道はなされていない(もっとも近い時間のもので、同日8時58分に茨城県沖で起こった震度3のもの)。

地元紙は翌12日の紙面で、「5月11日午後7時半頃、松江地方気象台や出雲署などに、島根県東部の住民から揺れや振動に関する問い合わせが相次いだ」と報じた。
気象台の担当者は「職員が振動を確認したが、県内で震度1以上の地震は観測していない。原因は分からない」と語っている。

朝鮮半島で同時刻に起こった地震が影響?

5月11日のほぼ同時刻となる19時45分頃、北朝鮮でマグニチュード3.8の中規模な地震が起こったと、ソウル聯合ニュースが報じている。

気象庁関係者は「自然地震とみられる」との見方を示した

山陰地方で観測された地鳴りは、この地震と関連があるのではと見る向きもあるが、そこまで大きな影響を与えられる規模にも思えない。

もしくは、朝鮮半島で起こった中規模な地震がきっかけで、「宍道(鹿島)断層」(※島根県松江市鹿島町から島根県松江市美保関町にかけて分布する活断層)になにか影響が及び、地鳴りが発生したとも考えられる。

地鳴り後の地震と地すべりに要注意

地鳴りから数日後、地震が起こることがある。
2020年4月下旬から5月上旬まで頻発した、長野県で群発地震でも地鳴りの報告が相次いだ。
2019年6月24日に関東で起こった最大震度4の地震でも、直前に地鳴りが聞こえたとのツイートが多く投稿されている。

また、地震の他にも地すべりや土砂崩れの前兆現象としても知られる。
山陰地方の方々は、くれぐれもご注意いただきたい。