アジア圏では中国についで新型コロナウイルスの死亡率が高いシンガポール。政府の意向で経済封鎖は行わず、国民の自助努力によって感染拡大を防ごうとしている。
そんななか、ソーシャル・ディスタンシングを住民独自の方法で達成しようと試みられた、シンガポールのある村の取り組みが話題を集めている。
ソーシャル・ディスタンシングには幽霊活用が効果的?
新型コロナウイルスの大流行を受けて、ソーシャル・ディスタンシングの必要性が世界的に叫ばれている。
インドネシアでは現在、感染が報告された約4500件のうち400人が亡くなっている。この高い死亡率は、中国についで2位となっている。
それでも、インドネシアでは強制的な経済封鎖は行われておらず、自宅待機も徹底されていない。
「日常生活を普通に送りたい」と考える国民が多く、ソーシャル・ディスタンシングも普及していないという。政府も対応に苦慮している。
そんななか、「みんな危機感が足りない」と考えたKepuh村の村長は、村民の有志を集めて、独自の新型コロナウイルス対策に乗り出した。
夜間、地元に伝わる悪霊「ポチョン(pocong)」に扮して練り歩き、不要不急の外出をしている人々に注意を与えるというものだ。
「ポチョン」とは、インドネシアで言い伝えられている成仏できない死者の霊のこと。白装束に身を包み、足はなく、自在に空を飛ぶと言われている。
「ポチョン」に扮する人々は、顔を白粉で白く塗り、目を縁取った後に白いシートを頭からかぶる。
この対策を行った初期は、深夜の外出が減るどころか「どうやらポチョンが出るらしい」と若者の間で大人気に。一大心霊スポットと化してしまい、オカルト好きの若者が集結する逆効果となってしまった。
それでも根気強く続けた結果、まずは子どもたちが家にこもるようになり、続いて親、若者たちも徐々に家の中で待機するようになっていったという。