2020年5月6日午前4時、あるTwitterユーザーが「千葉方向で謎の光を発している」と動画と合わせて投稿、大地震の前触れなのではと一部で話題を集めている。
最近の地震研究では、地震の発生前、まれに同様の発光現象が現れることが知られている。
たとえば2011年、桜島の噴火活動が活発だったころ、同様の発光現象が観測されている。
この時の映像は、「地震発光現象か? それともUFO群か?」と題した動画がYouTubeに公開されている。
かつては「UFOでは?」と話題になったかもしれない。
しかし、現在では空に現れる白または色付きの謎めいた発光は、地震活動によるものと判明している。これらの光は地震の発生前、または発生中に現れ、ときには虹色や炎のように見えることもある。
同様の現象を捉えた映像は枚挙にいとまがない。
2008年5月12日に発生した四川大地震は、マグニチュード8.0を記録。約7万人の死者と約40万人の負傷者を出す大惨事となった。この四川大地震の30分前に撮影されたという映像がこれだ。
2011年にニュージーランドのカンタベリー地方で発生した「カンタベリー地震」の映像も広く知られている。
この発光現象の発生メカニズムを、「ナショナルジオグラフィック」が2014年1月7日付の記事で解説している。
以来、発生メカニズムについてさまざまな説が登場したが、フロイント氏の研究チームが岩石の電荷に注目するまで決着は付かなかった。同氏によるとまず、「力が加わった玄武岩や斑れい岩に、電荷の“充電スイッチ”が入る」という。
地震前の謎の発光現象、ついに解明か?
そこに地震波がぶつかると、岩石内の電荷が解放される。
地質的な条件、「岩脈」という垂直構造も重要だ。マグマが垂直の割れ目に流れ込んで冷えた地盤で、地下100キロに達する場合もある。ここで玄武岩や斑れい岩が電荷を解放すると、地下から地表に向けて一気に駆け抜けていくことになる。
「電荷は結合して一種のプラズマのような状態になり、猛スピードで移動し、地表ではじけて空中放電を起こす。これが色鮮やかな光の正体だ」
フロイント氏の説明によると、世界中で発生する地震で、発光の条件が揃うケースは0.5%未満だという。比較的まれな現象というのも頷ける。
「タイミングや場所もそれぞれ異なる。大地震の数週間前に発生する場合や、実際に揺れている最中に光ることもある。また、震央から160キロ離れた地点で観測された記録も残っているそうだ」
投稿者の情報がすべて正しいとすると、関東地域で大規模な地盤の移動が起こっており、発光現象が発生している可能性がある。
2020年5月5日、6日と、2日連続で緊急地震速報が発令される事態となった。
新型コロナウイルスの緊急事態宣言下にある現在、地震に見舞われるのは勘弁願いたいところだが、注意を払い、準備は進めておいたほうが良いかもしれない。